車山湿原めぐりと蓼科高原


2003-06/09~2003-06/11


『八島ヶ原湿原へ野草の花を見に行こうか』の一言がきっかけで出発3日前に決まった今回の旅行。
期待して出かけたが花の時期には少し早過ぎて高原も湿原もまだ開花前だった。  7月中旬以降にならないと一面の花畑は望めないようである。


2003-06/9(月)

天候は晴れ時々曇り。 午前8時過ぎに自宅を出発し、混雑する東京を避けようとアクアライン経由で出かけたまでは良かったが、何処でどう間違えたかいつの間にか首都高速を新宿に向かって走っている事に。
八王子の妹の所で一休憩し改めて『さあ出発。』
中央高速を諏訪ICで降り、ビーナスラインを車山方面へ。 宿の場所はナビにセットしてあるからと何も疑わずその指示どおりに進んだがどうも様子がおかしい。
宿があるはずの車山近くを通り過ぎてもまだ先へ進めと案内する。
電話番号でセットした際、地図で場所を確認しなかったのが失敗だった。『ボロナビめ!』。
車を止めて道脇の売店で聞くと、思ったとおりだいぶ行き過ぎている。 途中、昼食を食べに入った蕎麦屋さんで『折角ここまで来たのだから近くの横谷峡を見て行ったら』と勧められた。
蕎麦屋さんから数百mほど先にある駐車場に車をとめて車道を数分歩くと乙女滝に着く。
この滝は水量も多く展望場所近くまで水飛沫が飛んでくる程豪快であるが、写真では滝の規模を伝えられないのが残念だ。
ここからは渓谷沿いのハイキングコースを霧降の滝経由大滝まで散策。 横谷峡最大の滝と聞いていた大滝は遠方の為かそれ程の迫力は感じられない。
予定外の横谷峡では有ったが約2時間の森林浴で気分リフレッシュ、気を取り直して車山へ。

横谷峡 乙女滝 横谷峡 霧降の滝 横谷峡 大滝 横谷峡 鷲岩
横谷峡 乙女滝 横谷峡 霧降の滝 横谷峡 大滝 横谷峡 鷲岩

横谷峡を後にして白樺湖を横目に走る事約1時間、やっと車山に到着した。
宿に行くには少し早いのでスカイライナー(869m)とスカイパノラマ(730m)の二つのリフトを乗り継いで車山山頂へ登りハイキングコースを30分ほど散策。
シーズンオフの夕方という事も有って観光客は殆んど見当たらない。
車山高原から八島ヶ原湿原周辺はハイキングコースが網の目のように広がっているので明日のハイクが楽しみである。


車山のレンゲツツジ 車山山頂 車山山頂から白樺湖を望む
車山のレンゲツツジ 車山山頂 車山山頂から白樺湖を望む

ホテルに着いたのは5時過ぎ、梅雨時のためか客室が59室もあるホテルなのに本日の客は5組しかいないらしい。
貸しきりと言ってもいい状態で大浴場もたった一人で独占。レストランの窓からは八ヶ岳連峰や遠くには茅野市の明かりも見える。
静かな雰囲気の中で音楽を聴きながらのフランス料理。気分爽快で一日目が終わった。


2003-06/10(火)

二日目曇り時々晴れ。車山肩の駐車場に車を置き湿原散策に。 ショウジョウバカマは盛りを過ぎて赤茶けた姿に変わり果て、緑鮮やかな葉のコバイケイソウはやっと蕾が出てきたばかりで湿原の花はほかに見当たらない。
湿原周囲の散策道周辺には黒くて不気味なオニゼンマイの新芽がやたらと目についた。

ホテルリゾリックス車山高原 車山湿原 オニゼンマイ
ホテルリゾックス車山高原 車山湿原 オニゼンマイ

車山湿原を諦めて霧が峰高原へ。 駐車場には数台の車が止まっているが、高原には殆んど人影が見えない。
一周りしてみたが、夏には花と緑豊かな高原も花の姿はほとんど無く、トレーニング姿の学生に出会っただけだった。
次の八島ヶ原湿原でも花には少し時期が早すぎたようだ。昨年の夏に来た時とはまったく様子が違う。
遠方に白く揺れるワタスゲが見えるが、その他はスズランとチゴユリくらいでシロバナエンレイソウは開花して日が経った為か花弁が茶色く縮れてしまった姿は物悲しい。

八島高原 八島ヶ原湿原 ワタスゲ
八島高原 八島ヶ原湿原 ワタスゲ

八島ヶ原湿原の近くにある旧御射山遺跡は、鎌倉時代に神事として鹿を狩ったり武術を競い合った日本最古の競技場のあとで、山肌を階段状に削った観覧席も残っている。
遺跡周辺には二輪草や九輪草が咲き乱れ、やっと花に巡りあえホッとした。

旧御射山神社 旧御射山遺跡観覧席 九輪草と二輪草
旧御射山神社 旧御射山遺跡観覧席 クリンソウ

昼食を摂りに諏訪へ出る途中、踊場湿原に寄る。 ここでも目に入るのは満開のズミとレンゲツツジそれにクサボケの花ばかりで、草花はキンポウゲしか見当たらなかった。
諏訪の町ガソリンスタンドで聞いて立ち寄った蕎麦屋さん、店構えと値段は一流だが味は三流。
構えの立派な店で味もいいところには中々出会えないものだ。
昼食後、諏訪大社に参拝してから北上。
新和田トンネルを通り中仙道の宿場町だった和田村へ。
残念ながら大火で焼けてしまい残っているのは和田宿本陣のみで、街道に昔の宿場町の面影は感じられない。
林業の町和田村はまた旧石器時代に石器を作った黒曜石の産出でも有名で、黒曜石石器資料館や林業資料館を建て観光に力を入れているが、もう一つ集客力に欠けると苦労話を聞かされた。

踊場湿原 諏訪大社 和田本陣
踊場湿原 諏訪大社 和田本陣

帰路に通った美ヶ原高原では霧が濃くて周辺の風景は何も見えず、八島高原まで戻ってやっと視界が開けてきた。
車山肩で見た夕霧に霞む八ヶ岳連峰は墨絵のように美しい光景だった。

八ヶ岳連峰 蓼科山(蓼科富士)
八ヶ岳連峰 蓼科山

今晩の宿泊客は我々二人だけ。 完全な貸切である。


2003-06/11(水)

作夜は雨が降ったらしく、目覚めると雲間から洩れる薄日に窓外の木々の緑が一段と鮮やかに見る。
窓外の景色を眺めながらシェフ自らの接待でゆっくりと朝食を済ませた。
立科方面へ向かっていると10時頃から濃い霧が出てきた。
道路では100m以上見通しがきくが女神湖の岸に立つと風の関係か湖面は5m先も見えない。
蓼科スカイラインで別荘地帯を抜けて立科町立御泉水自然園へ向かった。
自然園ではイワカガミが目に付く程度で、係員に聞くと他の花は7月中旬以降にならないと咲き出さないとの事で湿原と樹林の中を野鳥のさえずりを聞きながら森林浴を楽しんだ。

後泉水自然園 後泉水自然園 霧の蓼科高原
後泉水自然園 後泉水自然園 霧の蓼科高原

梅雨時にも関わらず雨に降られなかっただけでも良しとせねばと慰めながらの帰路となった。

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