北海道/道央と道東の花園


2001-07/09~2001-07/12

2001-07/09羽田~層雲峡温泉

羽田発午前6時40分と朝早い便なので、大事を取って昨晩は蒲田のホテルに前泊した。
9時前には新千歳空港に着いたが、それから朝食を摂ったり売店をウロウロしていたら、レンタカー事務所についた時はもう10時をまわってしまった。
早々に手続きを済ませ最初の目的地である富良野へ向けて出発したが、ご多聞に漏れず相変わらずのボロナビである。
最初に訪れたのは中富良野の『彩香の里』。丘の傾斜を利用してラベンダーやポピーの花を咲かせている。
意外だったのは一面に紫色の花が咲いている馬鈴薯の畑で、少し離れてみるとラベンダー畑より見事な紫の絨毯を敷いたように見える。
ラベンダーも種類によって開花時期が違うのでまだ咲いていない畑もあるが、入り口から奥へ拡がるメインの畑では丁度今が満開で韓国からの団体客が花摘みをしていた。

彩香の里
彩香の里(ジャガイモ畑)
彩香の里

次に『ファーム冨田』を訪れた。
ここは規模が大きく花の手入れも行き届いていて、何処を向いても花・花・花。平日とは思えないほど沢山の観光客で賑わっていて狭い通路はすれ違うのも困難なほど。

ファーム冨田
ファーム冨田
ファーム冨田
ファーム冨田

美馬牛峠に広がる『かんのファーム』では、まだ植えたばかりのようで露出した地肌が目立ち一面の花畑になるのはまだまだ先のようだ。
しかし暑い。旅行で雨に降られると興をそがれるが、こう暑いのも困る。
熱射病になりそうなのですぐに車へ戻ってしまった。
ボロナビの案内で迷いながら『美瑛の里』を通って一路層雲峡へドライブを続ける。

かんのファーム
美瑛の里

層雲峡に着いたのは夕方の4時過ぎだがまだロープウェーは動いている。早速ロープウェーに乗って黒岳へ。
5合目からリフトに乗り換えて更に上へ。黒岳7合目登山口に着くと、登る時は快晴だった筈なのに麓は雲海に隠れて何も見えない。
更に登ればお花畑があるという情報もあったが、登山装備もしていないし時間も無いので諦めてリフトに乗って下山した。

黒岳5合目にて
黒岳リフトから
黒岳リフトから
黒岳7合目からの眺め

2001-07/10層雲峡~ウトロ温泉(知床)
オムサロ原生花園
ワッカ原生花園

今日の最初の目的地は『オムサロ原生花園』。層雲峡から昨日来た道を上川まで戻り紋別へと北上する。
道路は良いし車も少ないが、交通事故取締り強化旬刊とかで覆面パトカーは多いわネズミ捕りはやっているわで法定速度を守る事3時間、やっと紋別に着いた。
オムサロ原生花園は一面のハマナス群生で有名であるが、少し時期が遅かったせいか殆んどが散った後で所々に咲き遅れた花が残っている程度。
もう観光客の姿も無くレストハウスも開いてはいるものの客も無く閑散としていた。
次はオムサロ原生花園よりも少し東にある『コムケ原生花園』。
しかし、ここも既に花は終わっている。仕方ないからサロマ湖を回りこんで『ワッカ原生花園』へ。
駐車場には観光バスや自家用車が一杯なので期待しながら入ると入り口には既に観光客が溢れている。
ここは広い。見渡す限りの花園なのでとても徒歩では回りきれない。
入り口のワッカネイチャーセンターで自転車を借りてサイクリングに出るが、20分近く走ったのにまだ端が見えない。
岬の先端まで行くのは諦めて、あたり一面に咲くエゾスカシユリの花畑の中をゆっくりと戻る事にする。
そろそろ昼食時、旅行案内書で見た『船長の家』へ行こうと車を走らせたがどうも逆方向に進んだらしい。
仕方ないから途中の和風レストランで海鮮丼を食べたがこれが意外と美味しくて満足。
おなかが一杯になったところで、次の『小清水原生花園』へ。
釧網本線沿いの海岸にある原生花園で面積はさほど広くないが、交通の便がよいのでバスや列車で来る団体が多く、狭い通路に人が溢れている。
しかし、既にワッカ原生花園の花畑に堪能した後では何の感動も沸いてこない。早々に引き上げて『以久科原生花園』へ急ぐ。

小清水原生花園(高校生の一団)
小清水原生花園前に広がる牧草地
以久科原生花園
以久科原生花園は国道から少し入ったところに有る為かあまり知られてないらしく数人の人影しか見えない。
バスが2台も止まれば一杯になってしまうほど駐車場は狭くレストハウスも無い。花園は海岸沿いに数百メートル続き、中央を散策道が通っている。
ここもワッカ原生花園と同様エゾスカシユリが満開で一面がオレンジ色に染まっていた。
今日の原生花園観光はこれで予定終了し、今夜の宿がある知床ウトロ温泉に向け走り出したが、ずっとアクセルから足を浮かしていたせいか、足がつって車を運転する事が出来ない。
沖縄旅行時の違反点数がありスピードを上げることもままならず、ゴールド免許の妻に運転を交代してもらう。
ウトロ温泉には午後3時半頃到着。
まだ知床観光船は動いている筈だ。
観光船といっても漁師が漁船を改造した船での観光船が多くて途中の客引きが煩いが、それを振り払って一番奥にあるオーロラ号の乗り場へ急ぐ。
船が出発すると何処からともなく沢山のカモメが集まってくる。観光客が与えるポテトチップスが目的らしい。
皆面白がって与えていたがあんなに塩分の多いものを与えてもいいのだろうかと気になって仕方なかった。
海岸は荒々しく削られた断崖になっており地上から見る景色とはまた違った知床を知ることができた。

知床半島
餌を取りに来たカモメ
カムイワッカの滝(遠方は硫黄山)

船を下りてから、昨年の知床旅行時に買ったお土産が縁で知り合ったユートピア知床(海産物加工販売)の知人に会いに行く。
気軽にお邪魔すると専務さんにまで挨拶され恐縮してしまった。
後で『コーヒーでも一緒に』と約束して別れ、旅館(季風クラブ知床)に落ち着く。
『ホテルは飽きたので旅館を』と先ほどの知人に頼んで紹介していただいた所である。
ご夫婦で経営しているらしく、広くは無いがこじんまりとまとまった旅館で、温泉は湯元から引いているから泉質がいいと言っていた。
露天風呂もあるが先着順で、チェックインしたのが遅かったのか既に当日の予約はすっかり埋まっていた。
夕食を食べてから丘の上のホテル群にある知床第一ホテルまで再度知人に会いに行く。
ホテルは知床に似つかわしくないほど巨大かつ豪華でとても知床情緒を味わうような雰囲気にはなれない。
でも、コーヒーとケーキは美味しかったな。
その上ユートピア知床の取締役からお土産まで戴いてしまった。申し訳ない。


2001-07/11知床~十勝川温泉(帯広)

朝、目が醒めると雨音が聞こえる。晴れ男で鳴らしていたのに何てことだ。
カーテンを開けると前の道路を奇妙な生き物がひょこひょこと歩いてゆく。よくみるとキタキツネではないか。
餌でも漁りに来たのだろうか。聞けば時々熊まで出るそうな。
小雨降る中を知床自然センターへ。
実は昨夕知人にお会いした時に是非立ち寄るようにと言われていたところである。
行くと、既に専務さんがお待ちで知床の観光について熱心にお話された。
『知床には、皆さんに知られていない素晴らしい所が沢山有るが観光コースにのせるとすぐに自然が破壊されてしまう。
だから、団体ツアーなどではなく、自然を破壊しないように少人数でのハイキングなどを計画してもっともっと皆さんに知床を知って戴きたい』と仰る言葉の端々からどんなに知床を愛しているかがひしひしと伝わってくる。
その上、迫力溢れる映像のダイナビジョンまで見せて戴き本当にお世話になりました。
途中社長さんにまでご挨拶いただき恐縮の至りです。この場を借りて厚くお礼申し上げます。
そこから知床横断道路を通って羅臼へ出たが、小雨のため知床峠では何も見えない。仕方が無いので羅臼からはタダひたすら南へ進む。野付半島近くになると雨もやんできたがまだ遠方は見えない。
実はこの辺で北方領土の国後島が見えるのではと期待していたのだが・・・。
野付半島は周回できないので同じ道を戻って根室半島へ。・・・と思ったがこの調子では根室半島へ行っても何も見えないだろうと計画変更し、厚床から右折して厚岸道立自然公園へまわる事にした。
霧多布岬へ着く頃から霧が出てきて岬に着いた時は10m先が見えないほど。
その内に益々霧が濃くなってくるので濃霧の中を慎重に走る事1時間。やっと厚岸原生花園あやめが原に着く事ができた。

雨の知床峠からの眺め
野付半島
あやめが原
あやめが原

まだそれほど霧が晴れたわけでもないが何とか50mくらいは見通すことができる。
あやめの花期はもう一か月も過ぎてしまったがまだその名残はあり、一面に咲き乱れるとさぞや綺麗だろうなと想像できる。
濃霧でだいぶ時間を使ってしまったので急いで釧路湿原へ。しかしここも小雨の為とても散策できるような状態ではない。今日はもう諦めて宿で温泉に入ろう。
明日は帯広からのフライトなので、近くにある十勝川温泉に宿を取ったが、なんと寂れた温泉であろう。全く活気が無い。
いまや温泉が出るだけでは観光地として成り立たないのかな。土産でも探そうと街に出てはみたがそれらしき店は殆んど見当たらない。もう風呂に入って寝るだけだ。


2001-07/12帯広~羽田

フライトは午後なのでそれまでの時間つぶしを出来る所はとホテルのフロントで情報を仕入れ、まず帯広市野草園に向かったが、たまたま駐車場の先に帯広百年記念館がありちょっと覗いてみる。
ここは、明治16年に開拓団が帯広に鍬をおろしてから百年目を記念して建てられた展示館で、開拓期の様子やアイヌの人々の生活の様子などが紹介されていた。
帯広市野草園はそこから徒歩で数分の所にあり、面積約1万3千坪の敷地に十勝平野に自生する野草や樹木を集めて保護するのが主目的らしいが、市民の憩いの場としても機能しているようだ。
たまたま園を管理されている方にお会いできたので、いろいろと説明していただいた。

百年記念館の庭園
帯広市野草園(オカトラノオ)
帯広市野草園(エゾシモツケソウ)

次は、空港への道すがら立ち寄れるところとして『紫竹ガーデン』と言う名の花畑へ。
平成元年に紫竹昭葉(しちく あきよ)さんと言う女性が1万8千坪の牧草地を購入して開いたフラワーガーデンで、広々とした庭を洋風庭園風にアレンジしていろいろな花を咲かせているが、手入れが行き届いていて見事である。
紫竹さんはもう相当なお歳とお見受けしたが、長靴を履いて先頭に立ってガーデンを切り盛りしている姿に花への愛情を見た気がする。

紫竹ガーデン
紫竹ガーデン
紫竹ガーデン
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